黙々と赤い石を打つ石工 「写真を撮っていいか」と訊いても チラッとこちらを見るだけ 英語は通じないのかと思ったが 厚かましく近くにいって 様子を伺いながらこちらも黙って撮る 5分 カチン、カチン・カシャ、カシャ 「バ・ホット・ガルミー(とても暑いね)」 とヒンディ語で投げかけてみる チラッとまた見る カチン、カチン・カシャ、カシャ ・ ・ ・ 10分後 「ダンニャワード(ありがとう)」 と言い背を向けたとき 「カム・アゲェイン(また来い)」 ボソッと彼が言った 何だ英語分かってるじゃんと思ったが なんだか嬉しかった。 こんな無愛想な年配の男に何人か逢ったが ベラベラ喋る男達よりみなずっと「紳士」だった まさかインドじゃありませんよね なに、アンベールの通りだって? ウソだぃ インドの路地といゃ、汚ねぇ屋台やガキやゴミ、ウンコだらけ ・ ・ ・ ホント?そりゃ・・・ス、すんません イャ~これまで散々に言ってきたけど謝る こんな立派なとこあるなら 先に言ってくれよインドォ やればできるじゃん、クールたぜインド!! >と、たまにはおだててみる 新興国と持てはやされているが、カースト制度による差別と相まってその半数以上 が貧困層でありその貧困度合いも生半可なものではない。 どこでも市街地周辺はスラム街があり、棒切れ4本にテント張りの暮らしなんて ザラにある。よって市内や観光地周辺で物乞いに遭わないことはない。 一説によれば(殆ど現実)問題はそれがビジネス化されていることにある。 リキシャーのあんちゃんによれば、俺たちよりうんと稼ぎはいいと言う。 彼らの上には元締めがおり、稼ぎの殆どを搾取しているという。 稼ぎが少ないとなじられ、殴られるのはまだましな方で 酷い場合は手足を切断、目を潰すなりして哀れみを演出し稼がせる またレンタルチャイルドして子供を抱かせお涙ちょうだいの稼ぎを得させる。 一方で、学校に通える子供達の中にでも登下校中に物乞いをし 小遣い稼ぎをしたり、家計を助ける子供もいるという。 こうなると バクシーシ「喜捨」は果たして、善行と言えるだろうか それとも彼ら(の元締め)を甘やかすだけの愚行なんだろうか 「援助とは魚をあげるのではなく、魚のとり方を教えることだ」 きれい事に聞こえてしまうが、前述のような現実があるのなら その場限りの喜捨より やはり慈善団体に寄付したほうが、まだましなような気がするのだが。 ウム・・・今日は真面目な話になっちまった。 バスの日除けカーテンは全面撤去になったそうな。 なるほど言われてみればカーテンしてあるバスは見かけない。 けど、けどネ。 あ~た達は暑さに慣れてるからいいけど うかつに日があたるほうに座ったボクちんは いくら九州出身のボクちんだってたまんないのよ。 外は42度よ「フォーティツゥ・デグリー・ヘルプ!」 誰か席変わってって目で周り見回しても、知らんプリだもんネ。 いや、カーテン取っ払うのに異議を唱えるつもりはないけど せめて外人用に半分くらい残すとか これじゃバス乗った人の半分は常に熱中症よ。 だいたいあ~た達インディアンは極端なのよ 神様達はその顔立ちからしてもの凄く濃いいし 象サン顔だったり、何あのあかんベーした神様は 日本だったら「バカにすな」ちてPTAが黙っちゃおらんよ ほいで衣服は原色ばっかし、車はここぞとばかし飛ばしまくる 扇風機には「微風」ちゅうもんがあるんよ 常に「強」でガンガン回しまくりだもん メロディも快い音量ちゅうのがあるでしょうに、朝から目一杯だし 料理は極端に辛いか甘いかだし 女はブスが多く美人は・・・<コラ 何処でも立ション、座り大・・・<オイ ヤク売りは・・・<ピ~ どうもインディアンには日本人のもつ 渋いとか、淡いとか、微量とか、程々、ましてやわびさび という感覚を期待するのは間違いのようだ。 (インディアンはアメリカン・インディアンとは違います念のため) バラナシの沐浴にこのネギ坊主頭のタージ・マハール 380年前、シャー・ジャッハンという王様がハーレムに 沢山の妾がいるにもかかわらず、タージマハール(ムムターズ・マハール) という女性に一目惚れし一途に愛した、だけどこの妃若くして亡くなってしまって 王様は悲しさのあまりこんなお墓造っちゃた。 そのラブストーリーとシンメトリー化された建築美で人気があるんですな。 で、ジャパニーを代表するカメラマンとしてはマンマ撮っちゃって ただの「行って来ました観光写真」という訳にはまいりませんので一応考える。 「永遠の愛」なんかがかいま見える根源的写真にしなきゃネ エ~ッと 愛、あい、永遠、永久、アイ、あ~ぃ ・ ・ ・ つ~たって な~んもない、な~んも見えん、な~んも撮れん だいたい、一目惚れして妃にしたのはいいけれど、 14人も年子産ませるんだもん そりゃなんぼなんでも奥さん早死にしちゃうでしょ ほいで「私が死んだら世界一立派なお墓造って」て言う女も 女なら、それ真に受けて「よしよし」と造るほうも造る方で なにもこんなバカでかい墓造んなくてもよかろうに 線香何本あげても足らんでしょうが ついでに言うけどここの入場料20ドル(約2千円)なんよ インドの生活物価からしたらいくらなんでも高すぎるでしょう だからあんたらボッタクリと言われるんよ! んな事よりアチィ、日なたの大理石は熱ちぃてば 撮れない写真を王様と入場料と暑さのせいにして旅は続く
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